防水工事の種類を3分類で解説|建物に合う防水工法の選び方

防水工事の種類を3分類で解説|代表的な防水工法と選び方

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「防水工事をそろそろ」と思って調べ始めて、こんな経験はありませんか。

「ウレタン」「塩ビシート」「アスファルト」「密着工法」「通気緩衝工法」。聞き慣れない言葉が次々と出てきて、結局どれが自分の建物に合うのか、さっぱり分からなくなった。

その感覚は、とても自然なものだと思います。上の「カオスマップ」をご覧ください。建築の防水工法は、大きな分類だけでも3つ、細かく数えれば数十種類にもなります。これだけあれば、迷ってしまうのが当たり前です。

工法の選び方がズレてしまうと、せっかく工事をしたのに数年で膨れや雨漏りが出てしまったり、本来そこまで必要なかったのに過剰な工事で費用がかさんでしまったり、ということも起こり得ます。

ただ、ここで安心していただきたいことがあります。建物所有者・管理者様が、この全部を覚える必要はまったくありません。 この記事では、カオスに見える防水工法を「3つの大きな考え方」で整理し、あなたの建物にどう選ばれていくのかを、防水を本業とする私たちの視点でお伝えします。

1. まず、防水を「3つの種類」に分けて考える

カオスマップには数十の工法名が並んでいますが、その根っこをたどると、水の防ぎ方は次の3つに行き着きます。

■ ① メンブレン防水 = 面でまるごと覆う

建物の表面を、水を通さない「膜(メンブレン)」でまるごと覆ってしまう方法です。屋上やベランダなど、雨水が直接当たる「面」を守る主役がこれにあたります。カオスマップで一番大きな枠を占めているのも、このメンブレン防水です。

■ ② シーリング防水 = すき間を埋める

外壁の目地(つなぎ目)やサッシまわりなど、部材と部材の「すき間」を充填材で埋めて、水の入口をふさぐ方法です。面ではなく「線」や「点」の弱点を守る役割で、外壁塗装とあわせて行うことも多い部分です。

■ ③ 躯体・特殊防水 = 素材そのものを守る・止める

コンクリートそのものに薬剤を浸透させたり、ひび割れに樹脂を注入したりして、素材を内側から強くする、あるいは水の通り道をふさぐ方法です。地下や構造体、補修の場面で活躍します。

建物を水から守るのは、「面で覆う(メンブレン)」「すき間を埋める(シーリング)」「素材を守る(躯体)」という、3つの守り方の組み合わせにすぎません。カオスマップの細かい工法は、すべてこのどれかに属しています。

そして、住宅やマンション、ビル、工場などで「防水工事」と呼ばれる屋上・ベランダ等の工事は、ほとんどが①のメンブレン防水の話です。そこで次は、このメンブレン防水をもう一歩だけ掘り下げます。

2. 建築防水の主役になる「メンブレン防水」、押さえるのは3タイプ

メンブレン防水の中をさらに分けると、建物所有者・管理者様が実際にご提案を受けるのは、主に次の3タイプです。どれが優れている、劣っているという話ではなく、場所や形状、下地の状態によって向き不向きがある、とお考えください。

タイプ

特長

向いている場所

アスファルト系

歴史が長く、層を重ねて作る信頼性の高い工法

マンション・ビル・学校・公共施設などの比較的大きな屋上

シート系(塩ビ・ゴムなど)

工場で作られたシートを敷く。品質が安定

マンション・ビル・工場・倉庫などの広い屋上

塗膜系(ウレタン・FRPなど)

液体を塗って継ぎ目のない膜を作る

ベランダ・バルコニー、設備基礎の多い屋上、複雑な形状の場所

※ アスファルト系のうち熱を使う工法は、煙やにおいが出るため、住宅が密集した場所では避けられることもあります。

このほかに金属の板を使う「金属系」もありますが、まずこの3タイプを押さえておけば十分です。

ここまでで、防水の「種類」はかなり整理できたはずです。ところが、建物所有者・管理者様を混乱させる「もう一つの正体」が残っています。それが「工法名」と「工法(やり方)」の違いです。

3. 同じ「ウレタン防水」でも、中身がまるで違うことがある

カオスマップをよく見ると、たとえば「ウレタンゴム系塗膜防水」の下に「密着工法」「通気緩衝工法」と、さらに枝分かれしています。ここが分かりにくさの大きな原因です。

同じ「ウレタン防水」でも、どの「工法(施工のやり方)」を選ぶかで、仕上がりも、適した状況も大きく変わります。代表的な2つを見てみましょう。

※ポイント:密着工法と通気緩衝工法は、「下地の健康状態」で使い分けます。

■ 密着工法 = 下地に直接ぴったり貼る

下地に防水層を直接密着させる、シンプルな方法です。下地が乾いていて健全な状態であれば、無駄がなく、費用も比較的抑えられます。

■ 通気緩衝工法 = 下地との間に「通気の層」をはさむ

下地と防水層の間に通気のための層をはさみ、脱気装置(だっきそうち)によって湿気を外へ逃がす方法です。下地に湿気が残っていたり、すでに古い防水層が傷んでいたりする場合に、膜が膨れてしまうのを防ぎます。

下地が元気なら「密着」で十分でも、下地に水分や傷みがあるのに「密着」で蓋をしてしまうと、あとから膨れや剥がれの原因になりかねません。シート系で言う「密着工法」と「機械固定工法」の違いも、これに近い考え方です(下地の状態が良くなくても施工しやすいのが機械固定です)。

防水工事とは、「素材(ウレタン・シート・アスファルト)」と「施工のやり方(密着・通気緩衝・機械固定など)」の掛け合わせで、最適な組み合わせが決まるものです。カオスマップが複雑に見えるのは、この掛け合わせがすべて書き出されているからなのです。

4. だから、建物所有者・管理者様が見るべきは「工法名」ではなく「選ばれ方」

ここまで読むと、「結局、自分でどれを選べばいいのか」と思われるかもしれません。ですが、答えはとてもシンプルです。建物所有者・管理者様が、数十種類の工法を覚える必要はありません。見るべきは工法の名前ではなく、次のような「選ばれ方」をしているかどうかです。

・なぜその工法なのかを、建物の状態に紐づけて説明してくれるか

・施工条件や下地状況に応じて、複数の引き出しから工法を選んでいるか

※注意:「うちはこの工法だけ」が、必ずしも悪いわけではありません。 一つの工法に特化し、その分野を極めている会社にも、確かな強みがあります。気をつけたいのは、自社のできる工法に、お客様の建物のほうを無理に合わせてしまうケースです。下地の状態に合っていない工法を「これしかできないから」と当ててしまうと、トラブルのもとになります。逆に、複数の選択肢の中から「あなたの建物にはこれが最適です」と、理由とともに選べる会社であれば、安心して任せやすいといえます。

私たちのような防水専門の会社の強みは、まさにこの「引き出しの数」にあります。アスファルト・シート・塗膜、密着・通気緩衝・機械固定。これらを「自社がどれを得意とするか」ではなく、「建物の、その施工条件と下地の状態に、何が最適か」という視点で選ぶ。その建物に本当に合った防水を提案することが、私たちの考える専門家の役割です。

まとめ:覚えるべきは工法名ではなく、業者の見極め方

防水工法には非常に多くの種類がありますが、基本から整理すると、それほど難しいものではありません。

・防水の基本は「面で覆う・すき間を埋める・素材や躯体を守る」の3つ
・屋上などの面を守るメンブレン防水は、大きく「アスファルト・シート・塗膜」に分けられる
・そこに密着・通気緩衝・機械固定などの施工方法が組み合わされる
・実際の工法選定では、下地や既存防水だけでなく、建物用途や施工条件まで考える必要がある

住宅のベランダでも、マンションの屋上でも、工場・倉庫の大型屋根でも、本質的に重要なのは工法名を覚えることではありません。

大切なのは、建物の状態に合わせて、理由とともに最適な工法を選んでくれる会社かどうかを見極めることです。「どの方法が合うのか分からない」。そうした段階でも問題ありません。まずはお気軽にご相談ください。

\群馬・長野・他関東エリア対応/

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